はじめに
医療現場で使用される電気メスは、高周波電流を用いて組織を切開・凝固する重要な医療機器です。その性能と安全性を保つことは患者さんの生命を守ることに直結します。わずかな出力誤差でも、熱傷や止血不良などの要因となることがあります。
本記事では電気メスの定期点検と、それを行うのに必要な測定機器をご紹介いたします。
電気メスアナライザーとは
アナライザー(Analyzer)とは分析装置、解析装置という意味の言葉です。電気メスアナライザーとはその名の通り、「電気メスの性能や動作を解析する装置」を指します。
臨床工学技士会が作成した手術室業務指針では電気メスの定期点検において電気的安全性評価(漏れ電流測定)、出力特性評価、対極板モニタ評価を行うことが定められています。弊社が販売する電気メスアナライザーESA-226ではこれらの動作テストが1台で簡単に行えます。
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医療機器の点検について
医療機器の点検には大きく分けて「日常点検」と「定期点検」の2つがあります。
日常点検
医療機器の使用前、使用中、使用後に行う外観点検や作動点検です。特別な器具を用いず医療スタッフが日々の業務の中で簡単に行う点検です。
定期点検
外観点検や作動点検に加え、機能点検、性能点検を行います。一般的に日常点検は医療従事者であれば誰でも行うことができますが、定期点検は専用の測定機器を用いるため専門知識を持つ臨床工学技士が行います。定期点検の実施は使用頻度、使用状況、使用環境等によって異なりますが、少なくとも年1回以上実施することが望ましいです。
まとめ
電気メスのみならず、医療機器の定期点検を行うことで、機器の故障や事故を未然に防ぐことができます。電気メスの点検等の安全確保は単なる日常業務ではなく患者さんの命を守るための最前線の取り組みです。このような点検により、安心安全な手術環境を維持していきましょう。