はじめに
電気メスは外科手術において切開と止血を同時に行える重要な機器です。その性能を最大限に活かすためには、メス先の形状と特性を理解し、適切な用途に使い分けることが不可欠です。本記事では、代表的な形状である「平型」「針型」「ボール型」「ループ型」について、それぞれの特徴、使用症例を解説します。
メス先の種類
平型
幅広で平らな先端により、広範囲の切開や凝固に適しています。メス先電極の中ではスタンダードな形状であり、様々な症例に用いられます。
針型
細く尖った先端により、精密な切開が可能です。眼科などの顕微鏡を用いる繊細な症例に最適です。
ボール型
球状の先端で接触面積が大きいことが特徴です。表面凝固に優れ、特にソフト凝固モードでの使用に適しています。
ループ型
ワイヤーで輪を形成した形状です。標準的な円形ループや、先端が角張っている菱形ループなどの種類があります。ポリープなど隆起した病変を囲うことで、病変部を一括で除去できます。
まとめ
電気メスのメス先形状は、切開精度や凝固範囲に大きく影響します。
・平型は広範囲処理に、
・針型は精密操作に、
・ボール型は止血に、
・ループ型は病変切除に適しています。
診療科や術式に応じて最適な形状を選択することで、手術の安全性と効率が向上します。



