前回は「骨粗しょう症」について、また日本における患者数の増加についてお話しました。
今回は、骨粗しょう症の予防についてお話していきます。

目次
最も大切なことは「最大骨量(PBM)」を高めること
「最大骨量(PBM)」とは、一生の中でピークに達した時点の骨量のことを指します。通常20歳代に最大骨量に達しますが、成長期から思春期後半をカルシウム不足、運動不足のまま過ごすと、最大骨量が少なくなってしまいます。運動の中でも、跳ぶ・跳ねるといった垂直荷重運動が骨密度の獲得に最適と言われています。
骨粗しょう症は高齢期に結果が現れる胎児期疾患
骨粗しょう症は、高齢者の病気というイメージを持っている方も多いと思いますが、実は胎児期の栄養不足がリスク因子と考えられます。生まれた時から骨粗しょう症になりやすいか決まっているなんて驚きですよね。母親の栄養不良状態は胎児の骨格の成長に影響を与え、さらに青年期の最大骨量獲得や閉経後の骨量減少、高齢期の大腿骨近位部骨折リスクなどとも関連付けられています。
骨粗しょう症はどうやって発見したらいいのか?
胎児期~思春期までは身体発育と骨発育が密接に相関しているため、身体発育の支障を把握すれば、骨発育による骨密度を把握することが可能です。成人の場合は、市町村が骨粗しょう症検診を行っています。40~70歳までの5歳刻みの節目の女性を対象に行っています。もし骨粗しょう症リスクがあれば保険適応の治療薬を使用することもできます。(詳細は各自治体やかかりつけ医にご確認ください。)
日常生活での予防
まずは骨の材料であるカルシウムと、カルシウムの吸収を促進させるビタミンDを摂取することが大切です。カルシウムは成人で600~800mg/日を摂取することが推奨されており、食事(カルシウム含有量)にすると、牛乳200mL(220mg)、ヨーグルト200g(240mg)、木綿豆腐150g(180mg)、小松菜100g(170mg)を1日で摂取すれば合計約810mgのカルシウムを摂取できます。下部の「1日の食事例」を参照ください。食事のみで推奨量を摂取することが難しい場合は、サプリメントでの摂取もオススメです。そして、ビタミンDは、食事、サプリメントでの摂取以外に日光を浴びることで体内生成される成分でもあるため、適度に日光に当たることも大切です。特に若年者はプロビタミンD3(紫外線でビタミンDに変わる)の保有率が高齢者の2倍以上と言われています。また、骨密度を獲得するために日頃から垂直荷重運動を取り入れることも有効です。
1日の食事例 合計:約715~765mg
・朝食 合計:約165mg
納豆(1パック):35mg
ほうれん草サラダ:約100mg
焼き鮭おにぎり:約30mg
・昼食 合計:約300mg
焼き魚弁当:約200mg
冷奴(小パック):約100mg
・夕食 合計:約250~300mg
サバの塩焼き:約80~120mg
小松菜のおひたし:約120mg
味噌汁(豆腐、わかめ):約50mg
ここまで、骨粗しょう症の予防についてお話しました。
胎児期~20歳前後までの生活習慣で元々の骨の強さは決まってしまいますが、成人以降で適切な生活習慣の形成と検診受診により骨粗しょう症は予防できる疾患と考えられています。人生100年時代も健康に長生きできるよう、普段から気を付けていきましょう!
参考文献(2025年12月23日時点)
・「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版」骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会
・「骨粗しょう症Q&A」一般社団法人日本臨床内科医会
・「カルシウムの働きと1日の摂取量」健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)
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