MENUCLOSE
日本語 English

お役立ち情報

重症心不全・心原性ショックにおけるV-A ECMOとIABPの役割と併用の考え方

administrator 2026.01.13 2026.01.13

重症心不全や心原性ショックの治療において、V-A ECMO(静脈動脈 体外式膜型人工肺)やIABP(大動脈内バルーンパンピング)を用いた補助循環療法は、臨床現場において循環維持に利用される対症療法の一つです。近年、V-A ECMOIABPの併用戦略も報告されており、本稿ではその基礎的な考え方を整理します。

V-A ECMOの役割

V-A ECMOは、静脈から血液を脱血し、膜型人工肺の酸素加能により酸素化された血液を動脈へ送血する補助循環療法の一種になります。心臓のポンプ機能が低下し、十分な心拍出量が得られない場合でも循環の維持が可能な点が最大の利点です。

一方で、動脈への送血は生理的血流とは逆行性となるため、大動脈圧が上昇し、左室後負荷が増大します。その結果、左室内に血液がうっ滞し、左室拡張や肺うっ血を招くリスクが課題として挙げられます。

 

 

IABPの役割

IABPは、大腿動脈から挿入したバルーンカテーテルを胸部下行大動脈に留置し、心周期に合わせてバルーンを拡張・収縮させる補助循環療法の一種です。心臓の拡張期にバルーンを拡張させることで冠動脈血流を増加させ、心臓の収縮期にはバルーンを収縮させることで左室後負荷を軽減します。これらの作用により、心筋酸素需給バランスの改善と心仕事量の軽減が期待されます。

一方、IABPの補助循環効果は比較的限定的であり、一般に心拍出量の増加は軽度にとどまります。また、自己心拍出を前提とした補助様式であるため、重症心不全や高度な心原性ショック症例では、IABP単独では十分な循環維持が困難な場合があります。

 

 

V-A ECMOIABPの併用

前述のように、V-A ECMOは強力な循環・酸素化補助を提供できる一方で、単独で使用した場合は左室後負荷増大が課題となることがあります。これに対し、IABPは左室後負荷軽減や冠動脈血流改善といった心筋保護効果を有するものの、循環補助効果には限界があります。

そのため、両者を併用することで、これらの弱点を相互に補完する効果が期待されます。

具体的には、以下の点が挙げられます。

 

  •  ✓ IABPのバルーン収縮による、V-A ECMOに起因する左室後負荷増大の軽減
  •  ✓ IABPのバルーン拡張による冠動脈血流の改善
  •  ✓ 左室仕事量の低減を通じた心筋負荷の軽減と、心機能回復環境の最適化

 

これらの相乗効果により、心筋保護と全身循環の安定化を両立できる可能性があります。

 

 

まとめ

 

V-A ECMOIABPの併用は、両者の特性と弱点を補完し、より安定した補助循環の実現を目指す戦略のひとつです。また、補助循環装置の選択と運用は、患者背景や病態、施設体制によって異なります。V-A ECMOIABPの基礎と役割を理解し、臨床現場で最適な組み合わせを検討することが、重症循環管理における重要なステップではないでしょうか。

 

医療機器情報をまとめて入手!

無料会員登録受付中

こんなお悩みはありませんか?

      • 医療機器に関する最新情報を効率よく集めたい
        • 専門情報やイベント・セミナー情報を逃したくない
          • 代理店向けの情報が欲しい

「MERAナビ」では、医療機器に関する様々な情報を会員向けにまとめてお届けしています。

新規会員登録(無料)をしていただくと、

            • 専門情報の提供
            • イベントやセミナー情報の案内
              • メールマガジンでの情報配信

などのサービスをご利用いただけます。

※医療従事者、代理店の方向けの会員限定サービスです。


医療関係者の皆様へ MEDICAL