◆ドレーンの交換



1,なぜドレーンを交換しなければならないのか?
⇒「詰まるから」
血液や粘りのある排液を吸引している場合、ドレーンは徐々に
チューブ内で凝固し、詰まりドレーン不良の状態になることがあります
ドレーンが詰まってしまっては本来の役割を果たせなくなるので、
その前に新しいドレーンに交換する必要があります。
⇒「ドレーンの位置がずれたから」
術中、ドクターは「ここからリークしたらやばいな、
ここに排液が溜まると感染源になるかも」という最も大事な位置に
ドレーンを留置します。ところが、そのドレーンの先端部が
跳ねて(移動して)縫合部など適切な位置からずれてしまうことがあります。
そのような場合にはドレーンの位置を修正しないと情報ドレーンとして
役に立ちません。
⇒「長期の留置でドレーン自体が感染源になるため」
ドレーンの留置期間が長くなるとドレーン自体が感染源になる可能性が
あります。そのために長期間留置になる場合、新しいドレーンと
入れ替えを行います。
⇒「ドレナージ性の良い、より太いドレーンに変えるため」
ドレナージの効果が悪いと判断した場合に、より太いドレーンや吸引の効く
ドレーンに入れ替える場合があります。
⇒「洗浄するため」
ドレーンの先端に限局されたスペースがあり、感染があった場合に、
処置時に洗浄したいと考えます。洗浄できるようにサンプ型のドレーンなどに
入れ替えることもあります。
2,ドレーン交換の時期
手術時、ドクターはベストな位置にドレーンを留置します。
このドレーンを抜去して 新しいドレーンを入れ替える場合、
新しいドレーンもそのベスポジに再挿入したいと考えます。
その際、ドレーンの周囲に「瘻孔」ができていれば古いドレーンを
抜いてしまっても、瘻孔の中に新しいドレーンを挿入すれば
元の位置に留置することが可能です。
ですから、瘻孔が完成するといわれる術後1週間がドレーン交換の
タイムリーな時期ということになります。
ただし、ドレーンが先に閉塞してしまっては合併症が悪化してしまうので、
瘻孔ができるまでの時間とドレーンの閉塞度を検討してドレーン交換の
時期を決めるといういうことになります。
3,ドレーン交換の方法(透視・レントゲン室で行う)
①現ドレーンの皮膚挿入部付近をカットし、ガイドワイヤーを
ドレーン先端から出るところ まで挿入します。

②ガイドワイヤーだけを残して現ドレーンを抜去します。
ガイドワイヤーは瘻孔内に入ったままになっています。

③ ガイドワイヤーに被せるように造影用のカテーテルを瘻孔内に
挿入し、ガイドワイヤーを抜去します
④ 造影用カテーテルに造影剤を注入し、合併症の状態を確認します。
瘻孔が完成していれば瘻孔が直線状に造影されることになります。
⑤ 再度、ガイドワイヤーを挿入し、造影用カテーテルのみを抜去します。
⑥ 新しいドレーンをガイドワイヤーに沿って挿入します。

4, ドレーン造影とは
一般的にはドレーンの先端にできたスペースの把握と、その対処のために
特に消化器外科術後に行われます。ドレーン造影は、透視室で造影用カテーテル
から造影剤を注入して、CTなどでドレーンの先端に膿瘍や空洞形成、
縫合不全の有無を確認することです。造影を行うことでドレーンの
先端スペースを確認し、そのスペースが限局されているスペースなのか、
また洗浄できるスペースなのかなどを確認します。
もし、そのスペースが洗浄できれば、ベッドサイドで洗浄でき、
より治癒が早まるからです。「ドレーン造影」を行った際に、
必要があれば「ドレーン交換」を行います。