はじめに
電気メスの安全性を確保するうえで、対極板の選択は重要なポイントです。対極板には「1枚型(シングル型)」と「2枚型(デュアル型)」という2つの構造が存在し、それぞれ特性や安全性能に大きな違いがあります。
2020年のJIS規格改訂以降、成人患者にはモニタ機能を備えた対極板が必須となりました。この規格により、モニタ機能を持たない1枚型対極板は現在、成人患者に対しては使用禁止となりました。安全性と規格適合性の観点から、臨床現場では2枚型対極板の使用が必須となっています。本記事では、1枚型と2枚型の構造と仕組みの違いを分かりやすく解説し、どのような点で安全性に差が生じるのかを説明します。
1枚型対極板と2枚型対極板の違い
1枚型対極板
1枚型対極板は単一の導電面で構成され、従来は広く使用されてきたタイプです。しかし、剥がれ検知機能(患者と対極板との接触を監視する機能)を構造的に備えることができないため、貼付が不十分でも電気メス側で検出できません。結果として、局所的な発熱による熱傷リスクが避けられません。
そのため現在では、安全基準上、成人患者には使用不可とされています。

2枚型対極板
2枚型対極板は2つの独立した電極を備えており、電気メス本体が2枚の電流バランスを常時監視することで、接触不良を検出できます。これにより、
・接触不良のアラーム
・出力の自動停止
など、安全性に直結する制御が可能になります。
安全基準への適合が求められる現状に対応するため、メーカー各社も1枚型から2枚型への切り替えを積極的に進めています。新製品はほぼすべてが2枚型で、対極板市場全体が完全に2枚型中心へ移行しつつあります。

比較表
| 1枚型(シングル)対極板 | 2枚型(デュアル)対極板 | |
| 構造 |
導電面1枚 |
導電面2枚 |
| 剥がれ検知機能 | なし | あり |
| 成人患者への使用 | 不可(2020年以降禁止) | 可 |
| 主な用途 | 小児など特定用途 | 成人患者全般 |
まとめ
1枚型対極板は構造がシンプルで扱いやすい反面、接触不良を検出できず安全性に限界があります。2020年のJIS改訂以降、1枚型は成人患者への使用が全面的に認められなくなり、臨床現場では安全性の高い2枚型対極板が必須となりました。
メーカー各社もこの流れを受けて2枚型への切り替えを進めており、現在では電気メス対極板の標準は2枚型です。
対極板の構造と安全性を正しく理解することが、電気メス使用時の事故防止と患者安全の確保につながります。
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