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ドレーンに多用される機能性素材「シリコーン」の特性

ドレーンの素材の変遷

従来のドレーンの素材は「天然ゴム」や「塩化ビニル」が主流でしたが、昨今のドレーンの素材はほぼシリコーン製に変わりました。硬くて太い(10mm前後)塩化ビニル製のドレーンから柔軟で細い(6mm前後)シリコーン製ドレーンに変わったことは留置される患者にとって圧倒的な疼痛低などQOLの向上をもたらしました。

一方、医療者にとっても組織適合性が高く炎症が起こりにくいこと、抗血栓性の高さからドレーン詰まりなどのドレーン不良リスクも低減されるなど周術期管理の煩雑さを解消しています。

 

JPフラットドレーン

レダックス JPフラットドレーン

スパイラルドレーン

レダックス スパイラルドレーン

 

シリコーンの特性

シリコーンはあらゆる産業で使用されている機能性素材で、柔軟性、弾性に富み耐熱性や耐寒性、絶縁性、低毒性、非粘着性に優れています。特に-100℃から300℃という

幅広い範囲の熱安定性を持ち、高温にも低温にも強い点が他のプラスチック素材にはない特性です。

これはシリコーンの分子構造がケイ素と酸素が交互に螺旋上に連結(シロキサン結合)していて、その原子と原子の距離が長いために原子同士が

くっつきにくく低温下でも固まらないためです。また、シリコーンの表面は疎水性のメチル基(有機基)で覆われていて表面エネルギーが低くツルツルしているため非粘着性という特性が発揮されます。

 

シリコーン構造図

シリコーンの分子構造イメージ

 

シリコンとシリコーン

シリコンは元素名で、シリコンで精製した高分子化合物は「シリコーン」ですので、一般には「シリコン製ドレーン」とよばれていますが、正確には「シリコーン製ドレーン」と呼ぶのが正しいことになります。

このシリコーンの素となる「ケイ素(Si)」ですが、にわかには信じられませんが硬い石です。ケイ素は単体では自然界には存在せず、酸素と結びついて「ケイ石」として存在します。ケイ素はケイ石を電気炉でコークスなどの炭素材で還元して金属ケイ素を作り、複雑な化学反応を加えて作り出されたのが無機と有機の性質を兼ね備えた合成樹脂「シリコーン」なのです。

硬い石が様々な精製過程で柔軟で様々な特性を持った高性能ポリマーになり、その中の一つがドレーンの素材となるシリコーンゴムになるわけです。

 

 

製品情報

ドレーンカテーテル

 


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