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スリット型ドレーンの吸引機序について

はじめに

昨今の持続吸引型創部用ドレーンの吸引口デザインは孔タイプからスリット(溝)タイプが一般的となりました。吸引圧が分散され、軟組織のドレーン内への引込が無くなるなど安全性が向上し、30㎝のスリット4本で吸引するため広範囲のドレナージが可能になる点が優位とされたことによります。

         

ところで、臨床でスリット型ドレーンを使用している先生方から「本当にスリットのある部分全体からドレナージされるのか?」という質問をいただくことがあります。術後のX線写真などによるドレーン留置部の状態を観察した結果、スリットの先端部に排液が残り血腫が残存するケースに疑問を持たれることが多いようです。

そこでスリット型ドレーンの吸引状態可視化(吸引機序)の確認実験を特殊なスポンジを使用して、以下の実験系を組み確認してみました。

 

吸引状態可視化試験

①スポンジ中央上部にスリットを入れる

●上から見たスポンジ    ●正面から見たスポンジ

   

②スリット内にドレーンを埋め込む

●上から見たスポンジ    ●正面から見たスポンジ

   

③スポンジを青着色し吸引する。

●上から見たスポンジ    ●正面から見たスポンジ

  

④吸引された部分のスポンジは白く変色します。

考察

吸引状態可視化試験の結果、スリット型ドレーンの吸引はスリットの起始部からしか吸引されていないことが分かりました。つまり起始部付近に排液がある場合は、スリット先端部の排液は吸引されないことになります。起始部付近に排液が無くなり組織に埋まった状態になった後に、先端部に吸引圧がかかります。この状態はどのタイプのスリット型ドレーンにも共通して発生しました。

本実験よりスリット起始部が優先して吸引されることから、スリット型ドレーンの適切な留置方法は、『重要なドレナージポイントにはスリット型ドレーンのスリット起始部を留置させる』ということが推察されます。

 

スリット部全体吸引を実現するハイブリット型スリットドレーン

コアクシャルドレーン

孔式ドレーンと溝型ドレーンを一体化した新デザインのコアクシャルドレーンは、従来のスリット型ドレーンでは達成できなかったスリット部全体からの同時吸引が可能となりました。

関連製品情報

 

レダックス シリコンドレナージシステム


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