持針器について二部に分けて説明します。
今回は第一部として持針器の種類と特徴についてお話ししましょう。
持針器の用途は縫合針を把持して動かすための器具です。
持針器の種類は大きく分けて「マッチュー型」「へガール型」「カストロヴィエホ型」が
あります。
持針器の種類と特徴
➀マッチュー持針器・・・フランスのマッチュー先生(整形外科)が考案(諸説あり)

特徴:持ち手がグリップタイプ。握り込むように持つため、把持部に強い力が加わるように設計されており、硬い組織や太い針を使用するのに適しています。
用途:手術後の閉創
一般的な外科手術で幅広く使用されています。
特に皮膚の縫合など、力強い把持が必要な場面での使用されています。
➁へガール持針器・・・ドイツのへガール先生(婦人科)が考案

特徴:リングに親指と薬指をかけて使用します。先端が細く、マッチュー持針器に比べ細かい動きが可能。
用途:浅い閉創、小さな縫合、柔らかい組織など
血管の吻合など微細な組織の吻合や、深部の狭い部位での操作に適しています。
➂カストロヴィエホ持針器・・・スペインのカストロヴィエホ先生(眼科医)が考案(諸説あり)

特徴:スプリング式のハンドルが特徴でハンドルの凹凸部に圧力をかけることで先端部が閉じる仕組みになっています。先端を細く加工することで、非常に小さい針でもしっかりと把持できるのが特徴です。
用途:眼科手術や血管・神経など細かい縫合が必要な場面で使われる持針器です。
TCチップについて
マッチュー持針器及びヘガール持針器には「丸針用」「角針用」があります。
丸針用の把持面にはダイヤモンドなどの硬い金属チップが施されています。

この固い金属チップは「タングステンカーバイドチップ(TCチップ)」と呼ばれ非常に硬く、耐摩耗性・耐久性に優れ長期間の使用に耐えます。優れた把持力、針をしっかりと固定し滑りにくくします。
なお、カストロヴィエホ持針器は繊細で小さい針(丸針)を使用するため把持部にTCチップが貼られています。
チップ有無の見分け方
加工(チップ)の有無を見分ける為、加工(チップ付)されている持針器のワッパ部分は金メッキが施されています。
角針用(=超硬(TC)チップ加工なし)(金メッキなし)

丸針用(=超硬(TC)チップ加工あり)(金メッキあり)

チップ付及びチップ無の比較
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素材 |
メリット |
デメリット |
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チップ付 |
超硬合金(TC) |
優れた耐久性 |
高コスト |
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チップ無 |
ステンレス |
低コスト |
摩耗しやすい |
※針の滑りにくさや耐久性の面から、TCチップ付の持針器が多く選ばれています。
以上、簡単に持針器の種類と特徴の説明をさせていただきました。
第二部では、チップのサイズと持つ針のサイズについて説明をいたします。