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酸素療法とは?(第六章:高流量システムの基本2)

administrator 2024.03.15 2024.03.15

酸素の吸入方法

酸素の吸入方法には、以下に示す3つのシステムに分類されます。

 

①低流量システム

②高流量システム

③リザーバシステム

 

ただし、上記の3つの分類は酸素の流量を意味しているものではなく、患者が必要とする1回換気量を超える「酸素」と「空気」の混合ガスを供給するかしないかを意味していることが注意点になります。

今回は、高流量システムでネブライザー式酸素吸入器について説明します。

 

ネブライザー式酸素吸入器とは

ベンチュリーにネブライザー(加湿)機能を備えた機器

前章で紹介したベンチュリーマスクは、酸素と空気の混合ガスを供給しますが、構造上加湿されていない仕様です。そのため、ベンチュリーマスクに加湿する際は、加湿アダプタを装着して加湿させる必要があります。

ネブライザー式酸素吸入器は、加湿された酸素と空気の混合ガスになります。蛇管を使用し、酸素マスクと接続して投与します。また、ヒータと組み合わせることで、加温しながら加湿した混合ガスを供給することもできます。

 

ネブライザー式酸素吸入器(コールドネブライザー方式)

 

ヒータ+ネブライザー式酸素吸入器(ウォームネブライザー方式)

 

ネブライザーの加湿メカニズム

ベンチュリーマスクと同様に、ベンチュリー効果で発生した陰圧で、酸素と空気との混合ガスにさせます。酸素濃度調整ダイアルで混合ガスの酸素濃度を調整します。同時に陰圧によりバック(またはボトル)内の水を吸い上げ、霧吹きの原理で微粒子化した蒸留水と酸素と空気の混合ガスを混合して患者側へ供給されます。霧状の微粒子のため、供給していると大きな水滴がアダプタ内に溜まります。その際は、リサキュレーションチューブを通り、水が入ったバック(またはボトル)に戻ります。

 

ネブライザーの加湿メカニズム

 

安定した酸素供給させるため、供給総流量(トータルフロー)は、最低30L/minになるように酸素濃度と酸素流量を調整します。

また、バッグ内の水を吸い上げる必要があるため、最低4または5L/min以上の酸素流量を設定する必要があります(メーカーによっては最低流量が違うため、使用する際は一度ご確認ください)。

 

供給できる酸素濃度

供給総流量(トータルフロー)に依存するため、成人患者においては、最大の酸素流量15L/minで投与できる酸素濃度は60%です。

そのため、成人患者で60%以上の酸素投与したい場合は、別の方法で酸素投与する必要があります。

乳幼児や小児あるいは、1回換気量が小さい成人患者では60%以上の酸素投与することが可能になります。酸素投与する際は、トータルフローを確認し、酸素流量、酸素濃度を調整する必要があります。

まとめ

今回は、「高流量システムのネブライザー式酸素吸入器」について記載しました。次回は「第七章 リザーバーシステム」について説明します。もし、酸素療法に興味がありましたら下記の製品情報へアクセスしてみてはいかがでしょうか。

 

製品情報

・カームピュアー呼吸治療器

・ソルターラブ(酸素供給システム)

 

関連コラム

・第一章:酸素療法の基本

・第二章:呼吸不全の基本

・第三章:急性期の酸素療法

・第四章:低流量システムの基本

・第五章:高流量システムの基本


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