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酸素療法とは?(第一章:酸素療法の基本)

administrator 2022.02.24 2024.03.15

酸素療法とは

大気(空気中)より濃度の高い酸素(21%以上)を患者に投与することです。酸素は生体内で、生命の維持に必要なエネルギーの代謝に利用されます。生体内で不足すると生命の維持が難しくなります。そこで、生体は常に酸素を取り組み、血液を介して組織に酸素を送り届ける必要があります。

生体に何等かの原因で障害(呼吸器・循環器系)が生じ、組織が低酸素状態になった時には、酸素療法(酸素投与)が必要になります。

 

酸素療法の目的

酸素療法は、患者へ酸素の吸入により吸入気の酸素濃度を高め、PAO2(肺胞気酸素分圧)とPaO2(動脈血酸素分圧)を上昇させることで、患者の低酸素状態を改善させたり、下記の状態を改善、予防させるのが大きな目的になります。

 

1.血液の低酸素状態(低酸素血症)を改善

 

2.組織の低酸素状態(低酸素症)を改善

 

3.過剰な運動負荷、エネルギー消費を軽減

 

4.低酸素状態に基づく生体内の悪循環を改善

 

酸素療法の適応

酸素療法を行う目安は、以下の条件になります。

 

1.室内気でSaO2:90%未満(≒PaO2:60Torr)(呼吸不全の定義)

救急の場合は、SaO2:94%未満(≒PaO2:75Torr)

(ただし、Ⅱ型呼吸不全の急性憎悪の場合、SpO2<88%)

※PaO2:動脈血酸素分圧(血液中に溶け込んだ酸素の量を圧力で表したもの)

※SaO2・SpO2:動脈血酸素飽和度(血液中のヘモグロビンの内、何%が酸素と結合しているかを表したもので、パルスオキシメーターで測定したものがSpO2:経皮的酸素飽和度)

 

2.外見確認(低酸素血症が疑われる状態)

意識障害、頻脈・徐脈、血圧低下、不整脈等

 

3.重症外傷

 

4.急性心筋梗塞

 

5.短期的な治療あるいは外科的処置

 

まとめ

今回は、酸素療法の基本(目的、適応)について記載しました。次回は「第二章 呼吸不全の基本」について説明します。もし、酸素療法に興味がありましたら下記の製品情報へアクセスしてみてはいかがでしょうか。

 

製品情報

・カームピュアー呼吸治療器

・ソルターラブ(酸素供給システム)

 

関連コラム

・第二章:呼吸不全の基本

・第三章:急性期の酸素療法

・第四章:低流量システムの基本

・第五章:高流量システムの基本

・第六章:高流量システムの基本2


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